隼人 22歳 出張ホスト
芸人を夢見ていたもの演技のセンスがなく挫折
僕は22歳の出張ホスト兼サブマネージャーです。もともと明るく能天気な性格で、子どものころから「将来はタレントになるんじゃない?」と友達のお母さんによく言われていました。話すことが大好きで、人を笑わせることに生きがいを感じていた私は、高校卒業後、芸人やタレントの夢を追いかけることにしました。
昼間は新宿のサパークラブで働き、夜はタレント養成所に通うという日々。自分なりに一生懸命努力していたのですが、肝心の演技のセンスがまったくと言っていいほどなく、現実の壁は思った以上に高いものでした。次第にオーディションでも手応えを感じられなくなり、気持ちは焦る一方。このまま夢を追い続けるべきか、それとも新しい道を探すべきか、悩み続けていました。
出張ホストのキャストとの出会いと転機
そんなある日、サパーで知り合った飲み友達がきっかけで、出張ホストの世界と出会いました。その友達は出張ホストのキャストをしており、仕事の面白さや稼ぎの良さを楽しそうに話してくれたのです。最初は「自分には関係ない世界」と思っていましたが、話を聞くうちに好奇心が湧き、勢いで面接を受けることにしました。
採用され、実際に働き始めると、これが不思議と性に合っていました。人と話すのが得意な私にとって、お客様との会話や接客はむしろ楽しく、芸人を目指していたころの経験も役立つ場面が多かったのです。気がつけば、タレントの夢よりも、この仕事で結果を出すことに心が傾いていきました。
キャストからサブマネージャーへ
気がつけば、出張ホストを始めて1年が経っていました。今では完全にタレントの道は諦め、とにかく稼ぐことに集中しています。とはいえ、ただ稼ぐだけではなく、将来の独立も視野に入れて行動するようになりました。現在はキャストとしての仕事を続けながら、サブマネージャーとして店舗運営にも携わっています。
シフト調整やスタッフ管理など、裏方の仕事は想像以上に大変ですが、同時にとてもやりがいがあります。日々リアルな売上状況や店舗の運営方針を見ていると、自分が経営者になったときの具体的なイメージが湧き、自然とモチベーションが上がります。もちろん、今の売上はこれまでのオーナーやスタッフたちの営業努力があってこそ。そう簡単に真似できるものではないことも十分理解しています。
将来の理想はサパーと出張ホストのミックス店
私が将来自分の店を持つときの理想は、これまでの経験をそのまま活かした場所です。つまり、芸人志望や夢を追う人たちが働けるお店。新宿のサパーと出張ホストを組み合わせた、エンターテインメント性の高い空間を作りたいと思っています。そこでは、働く人もお客様も、みんなが笑顔になれるような仕組みを作りたいのです。
そのために、今は一日一日を大切にしながら、運営のノウハウや人材育成の方法をしっかり学んでいます。芸人の夢は叶わなかったかもしれませんが、人を笑顔にするという原点は、今の仕事でも変わっていません。この先、必ず自分らしい形で成功をつかみ取りたいと思っています。