章大 19歳 出張ホスト
母親が経営する地元のスナックから新宿へ
僕は19歳、高校を卒業したばかりの男子です。母子家庭で育ち、母親は地元でスナックを経営していました。高校時代からそのスナックを手伝っていて、グラスを割ったり、おしぼりを忘れたりと失敗ばかり。でも、常連のお客さんには「お前はほんとに憎めないな」と笑われて、なんだかんだで可愛がってもらっていました。
卒業後は「とりあえず稼がなきゃ」と思って、スカウトの仕事を始めました。けれど、これがまあうまくいかない。声をかけても無視されるし、怒られるしで、すぐに心が折れてしまいました。その後、新宿に行き、キャバクラのボーイになったものの、スナック時代と同じく失敗続き。グラスを落とす、オーダーを間違える、先輩に怒られる…そんな日々でした。
新宿での出会いが人生を変えた
そんなある日、休みの日に友達と新宿で飲んでいたときのことです。隣の席にいた同世代のグループと意気投合して、話してみると、なんと全員が出張ホストの仕事をしているとのこと。「そんな仕事あるんだ?」と驚きつつも、興味津々で話を聞きました。
それから彼らとは友達として時々遊ぶようになり、ある日「お前、だいぶポンコツだし裏の仕事向いてなさそうだから、出張ホストのキャストとかやってみる?」と誘われました。正直、自分がそんな仕事できるとは思っていなかったし、プレイヤーなんて無理だろって思ってました。でも、半分騙されたと思って面接を受けてみたら、まさかの合格。人生、何があるかわかりませんね。
いじられキャラが武器になる世界
入店してからは、なんと初日から指名をいただくことができました。緊張しながらも、持ち前の明るさといじられキャラっぷりを発揮して、お客様に笑ってもらえるように頑張りました。気づけば売り上げも安定して、常連のお客様も増え、なんだかんだ2か月後には、ランキングでは5位以内に入るようになりました。
自分は賢くないし要領も悪いし、でも、だからこそお客様には気に入ってくれてもらえるのかもしれません。正直稼げる理由はわかりません!まあ失敗しても笑って許してもらえるのは、きっと僕のキャラクターのおかげです。自分の強みって、意外とこういうところにあるんだなって気づきました。
夢は沖縄で居酒屋でやってのんびり生きたい
今はこの仕事でしっかり稼げるようになって、生活にも余裕が出てきました。母親にも少しずつ仕送りができるようになって、親孝行もできているかなと思っています。将来の夢は、沖縄に移住して、居酒屋でも開いてのんびり過ごすこと。海の近くで、地元の人たちと笑いながらお酒を飲めるような、そんな場所を作りたいです。
自分みたいなバカでも、明るくて素直でいれば、きっと誰かが助けてくれる。そんなことを、この仕事を通じて学びました。これからも自分らしく、不器用なままで、でも一生懸命に生きていきたいと思っています。