ノリで始まった芸人への第一歩
僕は高卒フリーターで、明るさと元気だけが取り柄の21歳です。ちょっと抜けてるところもあるけど、それが逆に人に笑ってもらえるから、まあ得してるのかもしれません。そんな僕が目指したのは「芸人になる!」という夢でした。とりあえず勢いでタレント養成所に入学。
授業は毎日楽しくて、「俺、いけるんじゃね?」と調子に乗っていた矢先、講師からバシッと言われました。「漫才は向いてない。でもセリフ覚えは抜群だから、相方を見つけてコントやれ!」最初はショックでしたが、不思議とワクワクもして、よしコント師になるぞと切り替えました。
相方と共同生活でバタバタの日々
そこで出会ったのが一つ上の先輩。ちょっとクールだけどボケたときの切れ味が最高で、僕はすぐに「一緒にやりましょう!」とお願いしました。気づけば意気投合し、生活費節約のために僕の狭いアパートで二人暮らしが始まることに。
でも、事件はすぐに起きました。相方が居酒屋バイトで店長と大ゲンカして、あっさりクビに。生活費どうする!?ってなった僕らは、必死で求人を探していたら「高収入 出張ホスト募集!」の文字を発見。相方のイケメンぶりなら余裕で受かると思って勧めたら、「怪しいから一緒に来てよ」と言われ、気づけば僕まで面接に参加していました。
芸人コンビが出張ホストデビュー
面接で「実は芸人コンビです」と話したら、「芸人やってる子けっこういるよ」とあっさり返され、なんと二人とも採用!最初はドキドキでしたが、相方はルックス担当、僕は場を盛り上げる担当という絶妙コンビで、徐々に指名もいただけるようになり、収入は大幅にアップました。
半年後には二人揃って大久保で一人暮らし開始!「俺ら、芸人なのに出張ホストで生活安定してるってどうなん?」と笑いながらも、やっぱり嬉しかったです。僕の抜けた明るさが仕事で役立つなんて、人生って何が起こるかわかりません。
イベントを仕掛ける楽しさに夢中
収入に余裕が出ると、ただ遊ぶだけじゃつまらないと思い始めました。そこで相方と「芸人仲間を集めてイベントやろう!」と盛り上がり、小さなライブハウスを借りてみんなで手作りイベントを開催。これがもう楽しくて楽しくて、裏方の仕事にどんどんハマっていき、いつの間にか養成所には行かなくなりました。
気づけば「ネタ作りよりイベントの準備の方が楽しい」なんて会話が日常に。音響や照明をどうするか、フライヤーをどう配るか、考えることは山盛りだけどワクワクしかありません。そして二人で「芸能事務所を立ち上げよう!」と決意したのです。
夢の方向は変わっても走り続ける
今はネタづくりはちょっとお休み。相方と一緒に芸能事務所の準備を進めながら、生活の支えとして出張ホストの仕事も継続中です。この仕事があったから仲間とイベントを開けたし、夢のステージも広がりました。僕にとっては「夢をつなぐ第一歩」の仕事なんです。
これからは芸人仲間とバスを借りて、バンドマンやプロレスラーのように、全国を回るのが目標です。最初に思い描いた夢とは少し違うけれど、相方との出会いと出張ホストの経験がなければ、今の僕はいません。どこか抜けてる僕だからこそ選んだこの道、これからも元気に突っ走ります!
タケル 21歳 芸人