サバー勤務で競馬沼に…400万円の借金が出張ホストでお笑い人生に変わった話

競馬にハマったのは、サバー勤務を始めて2年目のことでした。最初は友達に誘われて、軽い気持ちで馬券を買ったのが始まりだったんです。でも一度大きく当てたら、もう止められなくなってしまいました。毎日のように競馬場に足を運ぶようになって、給料が出たら競馬に使う。そんなことを繰り返していたら、気がついたときには借金が400万円にまで膨らんでいたんです。自分でも「やばい」と思いはしたんですが、その時点では引き返せない状態になってしまっていました。

サバー勤務の給料だけでは借金を返すのは到底無理だと気づいたとき、流石に焦りました。返済のために何としても収入を増やす必要があって、毎日のようにネット求人を眺めていたんです。そんなときにたまたま目に入ってきたのが、出張ホストのキャスト募集の広告でした。正直なところ、最初は「本当に稼げるのか?」と半信半疑でしたが、借金がこれ以上増える前に何かしなければという切迫感もあって、興味本位で応募してみることにしたんです。

お調子者の素質が面接で爆発

面接の日は、正直かなり緊張していました。でも、面接官から「自己紹介してください」と言われた瞬間、僕のお調子者な本性が顔を出してしまったんです。別に気張っていたわけではなく、むしろ自然な流れで、自分の面白おかしい経験談をポンポン話し始めてしまいました。サバー時代のお客様とのやりとりとか、友達との馬鹿げた思い出とか。そうしたら、面接官がめちゃくちゃ笑ってくれたんです。

その後の流れは早かったです。面接官は「君のそのトークスキルなら、キャストとしてやっていけるんじゃないか」と言ってくれて、その場で採用が決まりました。今思い返すと、あのとき自分の話術が評価されたというのが、後々の人生にすごく大きな影響を与えることになるんですが、その時点ではそんなことは想像もしていませんでした。とにかく「借金を返すチャンスが来た」という安堵感でいっぱいでした。

現場で気づいた自分の才能

出張ホストの現場に出てみると、最初のうちは戸惑うことばかりでした。でも、明るさとノリの良さだけは自分の武器になることに気づきました。お客様を笑わせるために、とにかく面白い話をしたり、その場の空気を盛り上げるようなことを意識的にやってみたんです。一緒に居て楽しいと思ってもらえれば、自然と指名がつくようになるはずだと考えていました。

実際にやってみたら、その戦略は思った以上にうまくいきました。お客様のリアクションがダイレクトに返ってくるので、「あ、この話はウケるな」「この雰囲気なら笑わせられるな」という感覚が研ぎ澄まされていきました。3ヶ月、6ヶ月と経つにつれて、指名数が着実に増えていったんです。その過程で、僕は自分には人を楽しませる才能があるんじゃないかと思うようになりました。

ここまでのスピードで借金が返せるとは思わず、出張ホストという仕事に本当に感謝しています。稼げるという点ももちろんですが、自分の存在価値を感じられたというのが、何より大きかったんです。それまでは、サバー勤務で毎日流される仕事をこなすだけで、特に何か秀でた才能があるとは思ったことがありませんでした。

ネタ動画を作り始めた転機

休みの日が増えてくると、僕は面白い短いネタ動画を撮って、友達に見せるようになりました。最初は単なる暇つぶしのつもりだったんですが、友達の反応を見てると、もっとクオリティを上げたくなってくるんです。ネタの構成を工夫してみたり、撮影のアングルを変えてみたり。少しずつ反応を確かめながら、自分なりにブラッシュアップしていきました。

その過程で、僕は自分が本当にやりたいことが何かに気づきました。出張ホストで人を笑わせることに喜びを感じるようになったのと同時に、その喜びをもっと多くの人と共有したいという欲求が生まれたんです。舞台に立って、人の前でネタを披露する。そういう世界への興味が、日に日に強くなっていきました。

借金返済から夢への再スタート

借金の返済に目処が立つようになると、僕の中に新しい目標が生まれました。それは、お笑い芸人として舞台に立つことです。400万円の借金が、まさか自分の人生を変えるきっかけになるなんて、あの時は想像もしていませんでした。でも、出張ホストという仕事を通じて、「人を笑わせる」という行為の奥深さと喜びを知ることができたんです。

今は、出張ホストの仕事の合間を縫ってネタ作りや稽古に励むようになりました。毎日が充実しています。朝はサバー勤務の感覚で新宿の街を歩き、夜は出張ホストでお客様を楽しませ、休みの日はネタの構成を考えたり動画を撮ったり。そんな生活が、今の僕にはたまりません。

競馬にのめり込んで、借金を抱えてしまったあの暗い時期があったからこそ、今の自分があると思っています。お調子者な自分の性格が、面接官に評価されて、出張ホストの仕事にたどり着くことができました。人を笑顔にできることが何よりのやりがいだと感じるようになったのは、この仕事があったからです。将来、舞台に立てるようになったとき、きっと今のこの経験が全部、自分の武器になるはずです。

啓太 21歳 サバー店員