大学生活も4年目に入り、就職のことを真面目に考えるようになった時期があります。私は母子家庭で育ち、両親の離婚後、母が一人で私を育ててくれました。高校時代から母の負担を感じていましたが、大学に進学したことで、学費や生活費の面で一層その想いが強くなりました。アルバイトで何とか補っていましたが、母に頼ってばかりではいられないという気持ちが日に日に強くなっていったのです。
母は私を支えるために懸命に働いてくれています。その母を少しでも楽にしてあげたい、そして将来は一緒に暮らせる家を建てたいという想いが、私を突き動かしていました。しかし、一般的なアルバイトでは到底その目標に到達することができません。何か収入の良い仕事を探さなければならないと、真剣に考え始めた時期でした。
求人サイトで見つけた出張ホストという選択肢
インターネットで様々な求人を調べている中で、目に飛び込んできたのが出張ホストのキャスト募集でした。初めは正直なところ、自分のような真面目な性格の人間にできるのかどうか不安でした。これまで接客業を本格的にやったことはありませんでしたし、見知らぬお客様と接するという仕事に対して、どうしても慎重になってしまう自分がいたのです。
しかし、給料が良く、大学の講義の合間にシフトを入れられるという点は、私の状況に完璧に合致していました。迷いながらも、思い切って応募してみることにしました。このとき、母への恩返しという想いが、勇気を与えてくれた気がします。
面接当日は、かなり緊張していました。自分の不安をそのまま面接担当者に伝えたのですが、その方は実に丁寧に向き合ってくださいました。接客業の基本、仕事のやり方、職場の雰囲気まで、優しく丁寧に説明してくれたのです。真面目な性格だからこそ、丁寧に育ててくれる環境が必要だと感じてくださったのかもしれません。その時間が私の一歩を踏み出す決意へとつながりました。
真面目さが信頼に変わった瞬間
入店当初は、とにかく自分のできることを丁寧にやることを心がけました。相手の話をしっかり聞く、約束したことは守る、感謝の気持ちを忘れない。これらは、母から教えてもらった基本的なことばかりです。器用さや愛想の良さで勝負できない自分だからこそ、誠実さだけは絶対に失わないという想いで、毎日の仕事に向き合いました。
すると、時間がかかりましたが、少しずつお客様からの指名が増えていきました。同じお客様が何度も指名してくださるようになったのです。面接担当者や先輩キャストから、「真面目な対応が評価されている」というフィードバックを受けたときは、本当に嬉しかったです。自分の性格が弱点だと思っていたものが、実は強みになる可能性があったのだという気づきでした。
指名が重なるにつれて、月々の収入も安定するようになりました。学費を自分で賄えるようになり、母への経済的な負担も少しずつ減らすことができたのです。その時の達成感は、言葉では表現しがたいものがありました。
フットサルで学んだ協調性が、接客に活きている
大学のフットサルサークルに所属していることも、私にとって大きな財産になっています。フットサルを通じて、仲間との協調性を学びました。相手の動きを読む、チームのために自分ができることをする、そうした意識がチームプレーの中で自然と身についていったのです。
これは出張ホストの仕事にも直結していました。お客様のニーズを読み取る力、職場の仲間と協力する姿勢、全体の流れを意識した行動。これらはすべて、フットサルの経験から得たものだと気づきました。スポーツと仕事は一見別物ですが、人間関係の本質は同じなのです。
学業と仕事の両立で見つけた人生の目標
正直なところ、学業と仕事の両立は決して楽ではありません。大学の試験期間と仕事が重なることもあります。疲労が溜まることもあります。しかし、そんなとき、私を支えてくれるのは明確な目標です。
母親と一緒に暮らすための一戸建てを建てたいという夢です。その夢があるからこそ、どんなに疲れていても踏ん張ることができます。目標がない時の自分と、目標を持った今の自分では、やる気も覚悟も全く違うのです。
大学の講義で学ぶ知識も、出張ホストの仕事も、すべてが将来に向けた準備だと考えるようになりました。一見すると異なる二つの活動が、実は同じ方向を向いているという感覚です。この統一感が、私に強さを与えてくれています。
収入が安定し、将来が一層具体的に見えてきた
現在、出張ホストの仕事を通じて、月々の収入が安定するようになりました。それまでは、母に頼らずに経済的に自立することが遠い夢に思えていました。しかし、今は違います。具体的な数字として、一戸建てを建てるためにはどの程度の資金が必要か、そのためには毎月どの程度の額を貯蓄する必要があるか、そうしたシミュレーションが現実的にできるようになったのです。
この仕事は、単なる生活費を稼ぐための手段ではなくなりました。母への恩返しという人生の大きな目標を実現するための、確かな土台となっているのです。
新宿で仕事をしていると、様々なお客様と出会います。その中には起業家や経営者もいます。そうした方々との交流を通じて、人生観や仕事観を広げることもできています。真面目さを武器に、着実に成長していくことができている実感があります。
母を安心させたいという想いが最強のモチベーション
今、私を最も強く動かしているのは、母を安心させたいという想いです。母は、私を育てるために多くの犠牲を払ってくれました。その母に、安心して老後を過ごしてもらいたい。一緒に暮らせる家を建てて、母を守りたい。そうした想いが、毎日の仕事のモチベーションになっています。
面接のとき、面接担当者が丁寧に向き合ってくれたこと、職場の先輩たちが親切に教えてくれたこと、お客様が真面目な対応を評価してくれたこと。こうした周囲の人たちの温かさが、私を支えてくれています。
これからも、学業を大切にしながら、この仕事に真面目に取り組んでいくつもりです。堅実に資金を貯めながら、母との一戸建ての夢を実現に向けて歩み続けていきたいと思っています。出張ホストという仕事を選んだことで、私の人生は大きく変わりました。何かやってみたいけれど不安を感じている人へ、一歩を踏み出す勇気を持つことの大切さを伝えたいです。
翔太 25歳 大学生

