借金を抱えた服飾系専門卒の21歳が出張ホスト店のオーナーに出資してもらった話

在学中にブランドを立ち上げた

服飾専門学校に通っていた頃から、いつか自分のブランドを持ちたいという気持ちがありました。在学中に思い切って動いてみようと決めて、学校に通いながら少しずつ制作を始めました。最初のターゲットとして選んだのが、バンドマンや男性アイドルの衣装です。ステージ映えする派手なデザインや、アーティストのイメージに合わせたオーダー制作が自分の得意とするところでした。インスタグラムで作品を発信し続けていたところ、運よく需要が広がり、オーダーが少しずつ入るようになっていきました。

学生のうちからお金をもらって服を作れているという状況は、純粋に嬉しかったです。ただ、一人で全部こなすには時間が足りなくて、納期ギリギリになることも増えていきました。卒業のタイミングでブランドに本腰を入れることにして、パートさんを雇って制作の一部を手伝ってもらうようにしました。

資金繰りの悪さで借金が増えた

パートさんを雇ったことで制作のペースは上がりましたが、今度はお金の管理がうまくいかなくなってきました。材料費や人件費が先に出ていくのに、売上が入ってくるタイミングがずれることが多くて、気づいたら手元にお金がほとんどない状態になっていました。ビジネスとしての知識が足りていなかったのだと思います。資金繰りという言葉の意味は知っていても、実際にどう管理すればいいのかが全然わかっていませんでした。

その場しのぎで消費者金融を使い始めたのが、さらにまずかったです。最初は少額でしたが、同じことを繰り返しているうちに借金がどんどん膨らんでいきました。服を作ることは好きだし、オーダーももらえている。なのにお金が足りないという状況が続いて、正直かなり焦っていました。

友達の紹介で出張ホストを始めた

そんなときに友達から出張ホストの仕事を紹介してもらいました。週2回のシフトで、服の制作と並行して働ける環境だったので、とりあえずやってみることにしました。接客の仕事はそれほど経験がなかったのですが、服づくりを通じてアーティスト系の人たちと関わってきた経験が少し活きた部分もあったかもしれません。

働き始めると、思っていたよりも居心地のいい職場でした。スタッフの方々もフレンドリーで、変に気を遣わずに話せる雰囲気がありました。ただ、服の制作もあるので体力的にはなかなかハードで、毎日スケジュールとにらめっこしながらなんとか回している感じでした。

マネージャーに相談したことで動き出した

ある日、マネージャーに今の状況を正直に話してみました。ブランドのこと、資金繰りのこと、借金のことも含めてざっくばらんに打ち明けました。すると「オーナーにバイト代の前借りができないか掛け合ってあげようか」と言ってくれたのです。正直、そこまで親身になってもらえるとは思っていなかったので、その言葉がすごくありがたかったです。

その後、オーナーさんに自分の作品を見てもらう機会をいただきました。これまで手がけてきたバンドや男性アイドル向けの衣装を持参して、ブランドのコンセプトや今後の方向性も含めて説明しました。正直なところ、緊張でうまく話せていた自信はありません。それでもオーナーさんは作品をじっくり見てくれて、最終的に「出資してあげるよ」と言ってくれました。

出資を受けて制作に専念できている

その言葉を聞いたときは、本当に信じられませんでした。前借りのお願いをしに行ったつもりが、まさか出資までしていただけるとは思っていなかったので、しばらく状況が飲み込めないくらいでした。今は出張ホストのシフトを減らして、服の制作に集中できる環境を作っていただいています。

時間に余裕ができたことで、一つひとつの作品に丁寧に向き合えるようになりました。以前は納期に追われて細かいところまで手が回らないこともありましたが、今は納得できるまで仕上げられるようになってきました。オーナーさんの信頼を裏切らないためにも、まずはブランドをしっかり軌道に乗せることが最優先だと思っています。出資という形で背中を押してもらった分、結果で恩返しできるように、これからも地道に積み上げていくつもりです。

悠真 21歳 服飾デザイナー