建築現場から高額バイト探しへ
俺が建築現場で働き始めたのは、タトゥーを入れたかったからです。入れたいデザインがあって、そのための金が必要で、とりあえず日払いで稼げる仕事を探した結果、建築現場にたどり着きました。最初は「まあなんとかなるだろ」くらいの気持ちでしたが、甘かったです。毎日がマジでしんどくて、体がボロボロになっていくのに給料日が全然来ない感じがして、気づいたらもう限界でした。結局タトゥー代も貯まらないままやめてしまいました。
やめてからは「もっと楽に稼げる仕事ないかな」とスマホでひたすら検索する日々が続きました。そこで見つけたのが、やたら時給の高いバイトの求人でした。仕事内容のところを読んでみたんですが、正直なんのことかよくわかりませんでした。でもとりあえず面接だけ行ってみるかという軽いノリで応募しました。
よくわからないまま採用された
面接に行ったら担当の人がすごく話しやすい人で、緊張がすぐほぐれました。仕事の内容についてちゃんと説明してもらったんですが、俺の頭では半分くらいしか理解できていなかったと思います。それでも「明るくて元気があっていいね」という感じで採用してもらえました。自分でも「え、これで受かるの?」ってちょっと驚きました。
働き始めてからもしばらくはよくわからないことだらけでした。物覚えが悪いのは自覚しているんですが、スタッフの人たちが本当に丁寧に一から教えてくれました。何度同じことを聞いても嫌な顔せずに付き合ってくれて、それだけで「ここ、いい職場だな」と思いました。俺みたいなおバカでもちゃんと使ってもらえるんだなって、素直に嬉しかったです。
俺を必要としてくれる人がいた
一番びっくりしたのは、お客さんの反応でした。俺なんかと話して喜んでくれる人がいるんです。これは本当に予想外でした。それまでいろんなバイトを試してきましたが、コンビニも飲食も接客系はことごとくうまくいきませんでした。向いてないんだろうなとずっと思っていたので、ここでお客さんに「また来るね」と言ってもらえたときは、なんか胸にくるものがありました。
稼げているというのも大きいです。いろいろ試してきた中で、ちゃんとお金になっているのはここだけです。建築現場はきつい割に続かなかったし、他のバイトは全部中途半端に終わりました。でもここでは続けられているし、稼げている。それだけで俺には十分すぎるくらいでした。
相方の一言で芸人を目指すことに
そんな感じで働いていたある日、同じキャストの先輩から突然「お前、芸人向きだよ。俺と一緒にやらない?」と声をかけられました。その人、実は芸人志望で、ネタをずっと書いているような人でした。俺は「え、俺が?」って感じで最初はよくわかりませんでしたが、なんか楽しそうだなと思ってその場でOKしました。深く考えていなかったといえばそれまでですが、なんとなく断る理由も見当たらなかったんです。
あとから思い返すと、小学生のころから人を笑わせることが好きでした。授業中にアホなことをして先生に怒られても、クラスのみんなが笑ってくれたら嬉しくて仕方なかったです。笑ってもらえた瞬間の快感がずっと好きだったんだと、相方に言われて初めて気づきました。
週4ホスト週1舞台の二刀流生活
今は週4回ここで働きながら、週1回は相方と一緒にサパーでネタを披露しています。ネタは相方が全部書いてくれます。俺にはとても書けないので、これは本当に助かっています。相方は頭がよくて、ちゃんと先のことを考えながら動いているので、俺はついていけば間違いないと思っています。完全に依存しているといえばそうかもしれませんが、俺は自分の強みで貢献できればそれでいいと割り切っています。
人生一度きりだし、やってみてダメだったらそのときに考えればいいかなという気持ちです。今のところ楽しいし、お客さんにも笑ってもらえているし、相方とのコンビも面白くなってきている気がします。おバカな俺でもここまでこれたのは、丁寧に育ててくれたスタッフさんと、声をかけてくれた相方のおかげです。なんかいろいろ恵まれているなと、最近しみじみ思っています。
涼介 20歳 フリーター

