後輩のおかげで出張ホストになり起業の転機が訪れた

22歳です。以前は新宿のダーツバーで働いていました。ダーツバーの仕事自体は楽しくて、お客様との交流も好きでしたが、店長の態度がどうしても耐えられませんでした。客前ではニコニコしていて人当たりは良いのですが、裏ではパワハラがひどく、バイトの後輩たちに対してもきつい態度で接していました。ある日露骨に因縁をつけて後輩をいじめている姿を見た時、さすがに我慢できず、その場で店長を突き飛ばして喧嘩をしてしまい、結果的にオーナーがキレてバイトをクビになってしまったんです。

その後、すぐに日雇いのバイトを見つけ、なんとかその日暮らしをしていたのですが、毎日が精一杯で、生活のためだけに働く日々が続きました。「俺はこのままでいいのか?」と、自分に問いかけることが増えていきました。何かを変えなければ、このままでは一生この底辺から抜け出せないんじゃないかという思いが強くなっていったんです。

旧バイト先の後輩からの連絡で訪れた転機

そんな時、辞めたバイト先の後輩から連絡があり、自分もあの店を辞めて、今は出張ホストの仕事をしていると言っていました。「先輩、今何してるんですか?実は自分、友達に誘われて出張ホストを始めたんですけど、一緒にやりませんか?」という言葉をもらったとき、正直驚きましたが、生活に困っていた私は、その言葉に甘えることに決めました。

後輩から面接の案内をもらい、すぐに面接を受けました。運良く採用され、すぐに仕事を始めることになりました。正直、不安もありましたが、最初に感じたのは、仕事の雰囲気が全く違うということでした。前の店とは異なりり、マネージャーやお客様がとても優しく、安心して仕事ができました。ダーツバーでの経験を活かし、お客様とのコミュニケーションもスムーズに行え、少しずつ収入が増えていきました。

最初は後輩と一緒に働くことも多かったのですが、彼はすでに人気があり、店外指名が多いため、店で顔を合わせることはほとんどありませんでした。それでも、私は順調に稼ぐことができて、少しずつ自分に自信を持てるようになりました。この仕事は、ダーツバーのように過酷ではなく、働きやすい環境だと感じていました。何よりも、自分のペースで仕事ができる点が魅力的でした。

ある日、久しぶりに後輩と飲みに行き、改めてお礼を言われました。「先輩、あの時助けてくれて本当にありがとうございました。」と、彼が涙を流しながら言ってくれて、彼が続けて言った言葉に驚きました。「この仕事でお金を貯めて、将来一緒にバーを開きませんか?」と言われたのです。その瞬間、私は心の中で何かが変わった気がしました。これまでの人生の中で、こんなに力強い仲間との絆を感じたことはなかったからです。私たちはその日から一緒にバーを開くために動き始めました。

夢の実現へ向けて後輩とバー経営

その後、半年ほど経ち、ついに新宿で良い物件を見つけることができました。そして、私たちは本格的にバーの経営を準備することになりました。今では少し出張ホストのシフトを減らし、バーの開店準備に集中しています。最初は全く想像していなかった展開ですが、今では自分の夢に向かって進んでいることが本当に嬉しいです。

この半年間で学んだことは、「仲間に対する思いやりと感謝」の大切さです。嫌なことがあっても、この気持ちさえ忘れずにいれば、絶対に良いことが待っているということを心に刻んでいます。自分が悩んでいた時に支えてくれた後輩には、感謝してもしきれません。

これからも、私たちのバーが成功するよう、また今後の事業拡大に向けて努力を惜しまないつもりです。そして、いつ何時でも自分が他の人を助けられるような存在になりたいと思っています。

りゅうせい 22歳 経営者