ミュージシャン仲間の紹介で出張ホストに応募し生活苦から脱出したプロドラマー

ドラムで食べていくのに困窮し…

自分はプロのセッションドラマーです。高校から音楽専門系の所に行き、実はかなりの有名ミュージシャンに認められて、バックについて活動できる実力はあります。もちろん、認められているドラマーなんて多数いるので、バックについても生活費は自分で稼がないとだめな程度…。音楽系のいくつかのスクールで講師をしたり、スタジオの仕事や、夜な夜なライブをするバンド後ろで演奏をしたりして稼いだりしていたのですが、コロナの影響で仕事は激減。補助金でなんとか食いつないでいました。

ですが、今年になってコロナが落ち着いてきたので、ようやくスクールの仕事が再開できると思いきや、講師やスタジオの仕事が激減…。おりからの不況で、まず初心者が入ってこなくなったことと、今まで一生懸命習っていた生徒さんたちも、バンドや音楽どころではないと、かなり辞めてしまっため、自分も教える相手がいない状態になってしまったのです。

それで、食うのに困っていた時に、ミュージシャン仲間に紹介してもらい、出張ホストの仕事をすることになったのです。

ドラマーがホストなんてできるのかと思ったのですが…

ホストの仕事なんて、テレビでしか知らなかったですし、正直ボーカルやギターなんかと違って「ドラムやってます」と言っても、ピンとこない人が多いと思っていたので、自分ができるか自身がありませんでした。ですが、せっかくの高額バイトの募集をみすみす逃すのは勿体ないとやってみたところ、意外にも順調に指名をいただき、1ヶ月もかからず安定した収入を得られる用になりました。

案外、チャラチャラしている人よりも、真面目に見える人の方が安心してもらえるのか、お客様も楽しそうに色々とお話していただけて、出勤しても緊張せずに過ごせていますし、固定のお客様も付いてくれるようになりました。

自分の将来も考えるようになりました

このバイトの良さは、短時間で高収入を得られること。いくら今収入が出張ホスト頼みだとしても、基本ライブなどの仕事が入ったらそちらを優先していきたいと思っていますので、シフトが自由で短時間でも大丈夫という点ではとても助かっています。ですが、25歳とこの店では年齢は上のほうで、稼げるのはあとおそらく数年。求人を見つけられただけでもラッキーだったくらいで、スタジオミュージシャンとしての生き方もそろそろ限界なのではと、ちょっと挫折感を味わいながら今、お金を稼いでいる感じです。

とはいえ、とにかく今は金を稼ぐことに集中しなければ生活できない状況ですので、出張ホストの仕事をしつつ、余った収入で貯金をして、将来の自分を見据えて、今後どうやって生きていくかをしっかり考えていこうと思います。幸いお客様の中には地位をしっかりと確立して生きている方も多いので、お話を聞くだけでも参考になっています。

仁(仮名) 25歳 ドラマー