フリーター生活のお金の足しに始めました
21歳フリーターというとどんなイメージでしょうか? なんだか頼りない中途半端なヤツだと見られても仕方ないのかなと思います。実際そうで、僕は普段は親のツテでグループホームという障碍者施設で調理スタッフのアルバイトをしています。残念ながら収入は良いものではありません。
ただそれ一本ではなくて、今はこうして新宿の老舗店で出張ホストもしています。そちらがかなり高収入なので、トータルで相当いいお金になっています。生活の足しという感覚で高額バイトを探していて、結果的に友達の紹介で「これがいいらしいぞ」と聞いてこの求人募集と出会ったのですが、最初は正直採用されるとも思っていませんでした。
けれど自分の本業のことを話すと「立派じゃないか」「非正規なんてまだ若いやつが気にすることじゃないよ」と励ましてもらえて、そのまま採用してもらいました。「おまえにはまだ自分でも知らない可能性があると思うよ」とそんな嬉しい言葉もかけてもらえて、まあ半信半疑ではありましたが、それに賭けてみました。
順調に稼げて、自分の将来も考えられるように
昼間のバイトが休みのときに出勤しています。慣れない仕事ではあるので始めたばかりの頃は多少ハードルを感じることもありましたが、わりと「受け身」でも大丈夫なことに気付いてからは、そのスタイルで通しています。大体、お客様がすごい情報量を持ってらっしゃるので、その聞き役に徹するのも、ひとつのやり方だと自分では考えているんです。
もちろん多少の心遣いはします。ショッピングでは荷物を持つとか食事のときには必ずペースを合わせるとかお酒も程々にするとか、そして何よりも「ありがとうございます」の言葉を欠かさないように心掛けています。これは本当に何よりも大事なことだと思います。
そんなちょっとした意識の持ち方で順調に稼ぐことができて、今では昼間のバイトの給料がほとんど吹き飛んでしまうくらいの高収入になっています。週に数回の出勤数でもこれだけ稼げたら充分です。懐事情が良くなったおかげで、今は自分の将来についても考えられるようになってきました。
夢の料理人の道へ進んでいきたいです
将来の夢は料理人です。曲がりなりにも実は高校のときから居酒屋とかで厨房に入っていたので結構料理は好きです。もちろん本気でやっている人と比べると劣りますが、21歳ならまだ遅くはないはず。今から調理師学校に行って、手に職をつけたいと思います。
貯金も貯まってきたので来年には応募です。昼の仕事は卒業することになります。ただこの仕事は続けて生活の基盤にしたいです。何より短時間で効率よく稼げるので、この都合のいい高額バイトを捨てる手はありません。新宿という大都市で働いていることも、自分の自信になります。
調理師免許を取ったら、タイやシンガポールに行ってみたいです。あのあたりのアジア系の味が好きなんです。そういうコンセプトのお店を独立して開けたらと今では将来の夢をそのように固め、料理人の道を一歩一歩進んでいこうと思っています。
隼(仮名) 21歳 グループホーム調理スタッフ