コロナがきっかけで求人に応募

新宿にある某デパートの食品売り場で働いています。いつもニコニコしていないといけないので、このコロナ禍でも顔の表情筋は緩んでいません。マスクの下でもちゃんと口角を上げる努力をしています。本当にそういう小さな心がけが、お客様の反応に繋がるので…。

それはこの掛け持ちバイトでもそうかもしれません。僕は今は仕事が早番のときだけ出張ホストをやっているのですが、やはりお客様と接するときには、基本的にしっかりとお相手するようにしています。ゆるーい感じで、「自分そのまんま」というキャストも多いみたいですが、僕としてはそういう風に意識して接客しないと、自分を切り替えできないんです。

派遣社員ということもあってコロナがひどかったときには仕事は全面停止になりました。そのきっかけで新宿のこのお店の求人募集を見て応募したといういきさつがあります。ネカフェで暇つぶししながら、店外指名を受けて出勤というスタイルには最初は慣れませんでした。だからこそ「切り替え」です。ちゃんと「働く自分」の顔を作ってから出勤しています。

今は早番のときだけ出勤しています

最近は仕事が再開したので、早番のときだけこのお店に出勤しています。掛け持ち状態でしかもそこそこ忙しいので不定期出勤で週に一回二回というところですが、それでも十分な高収入が得られていると思います。もちろんガチのキャストと比べると、僕なんて小さいものですけど。

なぜコロナ禍の急場をしのぐ高額バイトとして出張ホストを選んだかですが、たまたま漫画でそんな話を読んだことがあったからで、それが実際にこの世界に潜入した作者の作品でもあって、妙にリアルだったんです。稼げるのは稼げるけれど、お店の評判に注意とか、お客様とのコミュニケーションはこうだとか描かれていて興味を持ちました。

そして調べてみたら業界でも有名らしいこちらのお店の求人が出ていたので、興味本位で面接に行ってみたというごく気軽なものです。そんな僕でも仕事ができているので、他の人でもたぶん大丈夫だと思います。それにしても、保証も何もない派遣社員という身分で、あのときのこの選択をしていなかったら、本当にどうなっていたんだろうと考えると少し怖いです。

誰にも知られずに大金を稼いでいます

デパートも出張ホストと同じ新宿なので、まあほとんど誰かにバレる心配はないと思いますし、別にバレてもどうということはないのですが、昼の仕事がライフラインではあるので顔出しNGにしてもらっています。実際、掛け持ちを始めてから今のところ誰にも知られている様子はないです。

親にも友達にも言っていないまま、ひそかに大金が貯まっていっているこの状況は、なんだかスナイパーでもやっているみたいで面白いです。これぞ漫画体験というべきか、楽しいし、実際仕事そのものも、お昼の職場で接するお客様とはまったく別の世界の方ばかりとコミュニケーションできて刺激になります。

実は本業のつながりで、グルメ系のブログを趣味で書いています。文章を書くのは好きですし、食に関するレポートは特に注目されやすく、読者もついています。その延長で、いずれこの出張ホスト体験をまとめて公開してみたいと思います。きっと面白く読んでもらえるのではないかなと思います。

京（仮名）　24歳　派遣社員