更生して今は格闘家目指しながらやっています
恥ずかしいことですが、僕は元不良でした。結構いろいろ、本当に人には言えないことをやったものです。しかし10代のときにすごくバカなことをしでかして親や周りの人から徹底的に見放されて、そこで更生しました。そのきっかけとなったのが、ボクシングです。
「そんなに暴力がしたいなら、格闘で根性叩き直してもらえ」と中学のときの恩師にそう言われて、自分としてはクソ食らえと思いながら連れられて行ってみたら、そこに自分の居場所があったんです。そのときは毎日体を限界まで動かして先輩たちに罵られ、終わった後には「お疲れ」と言われて肩を叩かれ、家に帰るとくったくたですぐに眠っていました。
そんな日々が続くうちに、知らず知らず不良の道からはすっかりと抜け出して、いつしか更生していたんです。地元の建築会社で働きながらジムに通い、MMAを目指すまでになりました。それで20歳のときに一念発起して東京へ出てきて、無料の寮に世話になりながら、こちらの出張ホスト店で働きつつ、今はブラジリアン柔術の道場に通って練習を続けています。
仕事は週に2回くらいのペースです
格闘家としての自分というものが今ではブレない一本筋として己の中にあるので、バイトは週2回くらいのペースです。ただ寮生活を今も続けさせてもらっている分、でもないですが、誠実に仕事はするようにしています。そんなにカタくなるなよ、と言われるのですが、やっぱりどこか緊張感持たないといけないと思いますので。
一ヶ月の生活費は実際週2回のバイトでなんとかなっています。そんなに贅沢とかもしないし、高収入で効率的に稼げるとか求人募集には出ているみたいですが、僕の場合はそういう娯楽よりはちゃんと地に足つけて自分の夢を、という感じなのでお金のことはそんなに気にしないです。
ただ、これがいつまでも続くわけではないでしょうね。いろいろ考えると、やっぱりずっと寮生活というのも恥ずかしいぞと思うので、そのうち寮を出たら、練習とのバランスも考えながら仕事のペースも調整したいです。そうなると多少もちろん出勤のペースとか時間は考え直さなければなりませんが、もともと結構体力ある方な自分にとって、ここでのバイトというかお客様との会話は、息抜き程度のものなので…。
スポンサー集めとかも頑張らないと
実際お金がいる世界であることは間違いありません。一流の格闘家たちは当たり前ですがそのへんのこともしっかり固まっている。自分だって負けないぞと思って、これも格闘の道の営業みたいなものだと、お客様には格闘家であることを公言しています。
わりと関心を示してくださる方もいて、現にスポンサーになってくれそうなお客様もいないではありません。ただ、あくまで過度の期待はせず、自分の実力を見てお相手からスポンサーに、と言ってくださるのが理想ですが。
将来はテレビで放送されるくらいのイベントにも出られるよう、強くなりたいと思っています。格闘もバイトも、修行だと思って、今は突っ走るのみです。
啓祐(仮名) 21歳 格闘家