音楽活動が微妙なので始めました

一応ですが、音楽事務所にも所属しているミュージシャンです。ボーカルグループというやつですね。それなりに、まあ悪くないんじゃないかという収入もあったのですが、残念ながらコロナの影響で少しずつ仕事がなくなってしまい、おまけにバイトしていた飲食店の方も閉店になってしまいました。

音楽活動ができない中、最低限のインカムまで途絶えてしまい、そうなると弱いです。ほぼ無収入みたいになって、三ヶ月と持たないくらい貯金はギリギリだったので、とにかく何か別の高収入な短期のバイトで、できれば日払いのものがないかと、求人募集を探し回りました。

ですがなかなか思い通りのものが見つからず、後輩の紹介で雇ってもらえたのが出張ホストのお店です。正直なところ、その職名を見たときには「なんだそれは」という感じでしたが、ともあれ悪い噂みたいなのがネットに出ている雰囲気もないので、ひとまずやってみるか、とスタートしたんです。

なんとかギリギリの期間をしのげました

今バイトを始めて半年くらいなのですが、最初の頃の記憶ってほとんどありません。はじめての世界に戸惑いながら、なんとかやっていたんだろうとは思います。ですが、そこまでキツかったとは思いません。肉体的にも精神的にも、徐々に慣れていったという感触です。

日払いというのは本当に助かりました。生活費ギリギリの期間をなんとかこのバイトの日払い制度に助けられたので、いや実際、これがなかったらやばかったと思います。本当に家無し同然のところまで追い込まれていたのではないかと…そんな余裕のない日々でした。

職場の環境にも大いに満足しています。顔出し無しで仕事をさせてもらえるのは、とても嬉しいですね。一応僕はこうして音楽活動している身なので、まあそれだって別に大したことないんですけど、誰かにバレていい立場では決してありません。事務所への態度という面でも、そこは大事です。だから実際、この仕事をしていることは内緒です（笑）

お客様の優しさにも支えられながら

今はなんとか生活費も自分の娯楽のための費用も、それから音楽活動のお金も多少プールできるくらいの高収入が得られることができて、すごく安定した毎日を送っています。指名してくださるお客様は本当に良い方ばかりで、僕の音楽活動のスポンサーになっていただいた方もいます。それもちゃんと音楽を評価してくれてのことなので、嬉しいです。

お金がいい、というのはこの仕事の魅力のひとつですが、こうしてきちんと接客すると、お客様の方から個人的な活動を支援してくださったりするのも、ひとつありえる可能性として良いものだと思います。だからといって欲を出すのはよくないですけどね（笑）

災い転じてというか、音楽の方も飲食店のバイトの方も微妙になって、結局こういう道で自分の生活が担保されたというのは、むしろ幸福なことだったのではないかと思います。紹介してくれた後輩に感謝しなければなりませんね。

順一（仮名）　21歳　ミュージシャン