ホストに挫折してキャバクラのボーイから出張ホストの道へ

ホスト挫折その後も迷走しながら

二年間専門学校に通っていたのですが、そのときからホストの世界に憧れていました。それで卒業してから半年間、新宿のホストクラブに勤務したのですが、まあこれが思っていた以上に競争の激しい世界というか、本当に過酷なサバンナみたいな場所ですぐ挫折しました。

それでその後は何をしようか、元ホストの考えることって聞いてみると大体同じみたいで同じ水商売から探すんですよね(笑)僕もその例に漏れず、キャバクラのボーイになりました。けれどそれもなんというか、これまで一応ホストで、自分が主体で接客していたのがボーイという下の立場になってしまって何かつまらないみたいな、そんな気分で辞めて…。

さーて、マジでどうしたもんか、悩みました。ただキャバクラのボーイ時代に結構情報量は多かったんです。高収入のバイトとか、いろいろ。それでひとつ心に残っていたのが出張ホストでした。同じホストとは言っても世界が違うみたいで、興味があったんですよね。

やっぱり楽しいです、こういう仕事は

実際ホストに未練たらたらだったこともあって、やっぱり始めてみると面白いんです、出張ホストも。心残りが晴れる思いというか、ちょっと雰囲気は違うけれど、お店の外でお客様をおもてなしするのも楽しいですし、転職成功です。これは長続きするだろうと思います。

今で大体半年くらいでしょうか。なので、ホストクラブと同じくらい続いていることになります。ああいう熾烈な競争の世界に戻ると失敗するのは怖いし、今となってみては何かと縦関係とか面倒だったのでこっちの方が性分に合っていて、もっと突き詰めたい気持ちです。

求人募集にうまいこと滑り込めてよかったです。元ホストというと何かチャラチャラしているとか、挫折した心の弱いヤツだとか思われてしまうのかなと思っていたのですが、お店の中は優しい雰囲気だし、誰かを悪く言うとか、そんな嫌なムードも一切ないです。本当に働きやすい環境だと思います。そして僕自身とても楽しく刺激的なこの仕事が好きです。

あのときの方向転換が功を奏したかも

災い転じて福となすといいますが、実際そうかもしれないですね。今はコロナの影響でホストクラブがどんどん低調になっている中、外での仕事が主になる出張ホストは需要があって指名もほとんど途絶えません。あのとき方向転換してよかったのかも。転職成功です。

ただ、お店に恵まれている、という気持ちは捨てちゃいけないと、そう思う謙虚な気持ちもあります。お店というか、お客様ですよね。指名してくださって楽しい時間を過ごすことができるのも、こうやってたくさん稼げるのも、まったく、自分だけの力ではないですから。

そういうことを心から思えるようになったのも、なんというか自分で言うのもヘンな感じがしますが、成長なのかな、と思います。何にせよ、折れても曲がっても、チャレンジしてよかった。僕はここで変われました。お店に、ホストの世界を半年で挫折したような僕を受け入れてくれて、ありがとうございます、とこの場を借りて言いたいです。

銀太(仮名) 23歳 元ホスト