作家しながらこのバイトやっています
出張ホストは最初潜入のつもりでやってきました。元は芸人で、ちょっとしたコネがあって文筆の方でも身が立ったので、そのネタ探しみたいなものです。なかなかない経緯かもしれないですね。けれど、作家の仕事は不定期だし、実際こういう副業があるというのは助かります。
ネタ探しがメインではあるのですが、いつしか、楽しんでいる自分がいます。元芸人だけあってやっぱり自分で言うのも何ですが喋りは立つので、そこは活きてるかな、と。おかげで出勤が苦にならないし、実は食品加工のバイトをやっていたんですけど、そっちはもう辞めてしまいました。あれは進歩もないし、こっちの方がずっと充実しているので、いろいろ。
そもそも求人募集を見ていた動機もネタ探しなので、自分みたいなものがこうやってこの仕事を紹介させてもらうのもヘンな気がするのですが、まあそれくらいお店はゆるい雰囲気というかなじみやすいので、もう少し話を聞いてください。
思わぬコネが広がったりしますよ
元芸人ということで面白がられて、いろんなお客様に親しくしていただいています。それもちょっと業界では知られたビッグネームの方なんかも来店されることもあって、驚いてしまいますね。テレビ関係の人とか。漫才コンビ解散するまえに知り合いたかったわ(笑)
でも作家の仕事を実はおこぼれ的にもらうこともあるんです…これは言っていいのかなと思うのですが、まあ事実としてそういうチャンスも転がっているということで。お客様の中にネットTV制作関連の方がいて、その作家として起用してくれたりして、こういう風にコネって作るんだな、とそんなことを思ったりもします。
元芸人の習性というべきか、チャンスのニオイには敏感な方だと思います。これからもしばらくこの仕事を続けてネタ収集し、また高収入を得ながら、いいお客様ともっと繋がっていけたらいいですね。バイトを通じてこんなチャンスに恵まれるとは考えもしませんでした。
あなたもとにかくやってみたら?
僕自身の経験から言うと、若いうちはなんでもやることです。チャンスなんてどこに転がっているかわかりません。僕がたまたま作家として起用してもらえたのも偶然ですし、それだってポンと転がっていたところに、「はい」と手を挙げてその場のノリで、だったので。
という感じでこの仕事だって成功、といえば成功していて、高収入で生活が安定したのはもちろんその他の恩恵にも預かりまくれています。視野も広がったような気がしますね。ここでの経験は仕事にすごく繋がっているし。うん、興味を持ったら何事もチャレンジです。
ただ芸人としての再起も考えないではないです。こういう仕事やってたこともネタにしたら何か見えてくるんじゃないか。そのためにはまたイチからスタートですが、それもできない年齢じゃありません。ただフリーターで時間食いつぶすより、なんでも前向きに考えるもんです。
迅(仮名) 24歳 元芸人