元ヒモのバンドマンが高額バイトで自堕落な生活から脱却

ヒモ生活も終わりを告げて…

バンドマンで、自堕落な生活を送っている、典型的なそういう人間です。元ヒモ。ほとんどバンド活動以外は何もせず、というかバンドメンバーもいい感じの奴らが集まらないので本当にだらだらと一年、風俗嬢のヒモをやっていました。

その嬢も前のバンドのファンで、そういう絡みですね。まあファンに手を出して、カネも出させて、それくらいのもので、別に大した気持ちも持っていなかったですが、喧嘩をきっかけに家を追い出されると、「あれ? 俺、行くとこなくね?」となりました。

そうです。何気にプチホームレス。宿無しになってしまって、謝ろうにもブロックされてるみたいだし、仕方なしに何かネカフェにでも泊まりながらバイトでもしようかと思いました。最初の頃は即金バイトしてましたが、あとから出張ホストを見つけて、今はそこに落ち着いています。

無料の寮がリアルに助かりました

ネカフェ生活もギリギリになっていたタイミングで、あのとき募集が出ていたのは本当に最後の最後のところでツキに恵まれていたのだと思います。寮付きの高額バイトの求人でヒットしたのはこれだけだったので、もう選ぶとかそういうのもなく、応募しました。

「もうちょっとしっかりしろよ」と若干呆れられながらも、その日のうちにちゃんと寮に入れてくれて、確かその翌日が社内研修とかで一回僕は出勤がなくて、翌々日から仕事をスタートしました。一発目から、わりとうまくいったと思います。もともと、自分で言うのも何ですが、人たらしみたいな面があって、普通にしてても人から良い印象持たれるんです。

さほど苦労せずに高収入を得られるようになって、「あ、これ自分向きだな」と思ってからは、ちょっと考えて、現実的な頭で、貯金をするようになりました。寮に厄介になっているのが、ちょっと自分でも後ろめたい感じがしていたので、できるなら早く出てしまいたかったんです。

拾ってもらえた感謝を何かで返せたら

自堕落な生活が招いた事態なので、そこに申し開きのしようはありません。けれど、今はなかなかいい賃貸を見つけてそこで暮らせているし、この先どうなるかなどあまり考えてはいないんですけど…恥ずかしい話、お店に恩返しできたらな、とは思います。

元ヒモの自分を拾ってくれたお店に、どういう風に何をしたら報いることができるのか、それはまだ見えてこないですが、まずはちゃんと働くことかな、と考えています。お客様には「あなたじゃないとつまらない」と言われたりして、自分みたいないい加減な人間でも、人の役に立つことができるきっかけをつくってくれたこのお店に感謝しています。

今日も新宿の街から、どのようなお客様と出会えるのか楽しみです。稼げる高額バイト、しかもこの待遇、ダメなやつにも住まいを提供してくれるというお店、推しです。もし僕のように何か行き詰っている人がいたら、とにかく飛び込んでみることです。そんなキツい世界でもなんでもないので、ラクにいきましょう。

夕(仮名) 22歳 バンドマン