就活に失敗したのがきっかけでした
妙な話ですが、僕の場合就活に失敗したことがかえって幸運に繋がりました。彼女と同棲していて将来のことも考えていたのですが、就職活動が全部ダメで。だらだら3か月働きもせず、しかも浮気をしてしまって、それがバレて家を追い出されたんです。
そこからはちょっとしたホームレスみたいな生活をしていました。日雇いの仕事をしてネカフェで泊まることができたらまだマシで、野宿もしていました。引っ越しというか住むところを確保する金がなかったので、そうするほかなかったんです。このままじゃヤバイと感じていました。
きっかけになったのは、たまたまその日は日雇いの仕事にありついて、その金でネカフェに入って、なんとなく高収入向けの求人サイトをチェックして、出張ホストという仕事を知りました。求人サイトで評判や待遇を確認してたところ、無料の寮が使えるとも知り、その場で応募の電話をかけました。
採用後は真面目に勤めています
面接を受けて、自分の追い込まれている状況を話すと、「大丈夫、とりあえず今日寝るところは準備してあげる。本当は書類の準備が先なんだけど」と優しく対応いただき、採用ということで早速本当に無料の寮に入れてもらえました。心からほっとしました。
そのあとはもうただやるだけです。幸い、僕は接客というか人とコミュニケーションすることが好きなので、お客様とのやり取りは仕事という感覚じゃないです。初日から順調に稼げて、いつの間にか結構な貯金もできていました。
あの一時期のホームレス生活を振り返ると、あのままダラダラ行っていたら終わりだったなと思います。若くても宿無しって実は東京に結構いて、そういう奴らをスカウトする怪しい輩もいると聞くので、自分ももしかしたらその一員になっていたかもしれない…。ぎりぎりのところで救われ、助かりました。今は真面目に勤める毎日です。
「ありがとうございます」という感謝に尽きます
仕事そのものに面白さも感じているので、もう就職活動のことは忘れて、しばらくこれ一本でいこうと思います。募集が出ていたタイミングで滑り込めたのも運だと思うし、今後もしばらくお世話になりたいと思います。
あと、考えているのは、元カノにちゃんと謝らなくちゃいけないということです。身から出た錆だし、本当にあのときは何もかもに適当すぎました。実は借金も少ししているので、逃げずにそれも返したいです。連絡がまだ取れるといいのですが…ちょっとまだ確認できていないです。
お店というかマネージャーに一言あるとすれば、本当に「ありがとうございます」という感謝に尽きます。あのとき助けていただいていなければ、どうなっていたかわかりません。お客様には「そんな失敗、若いうちにした方がいいくらいだよ」と励まされたりして、出張ホストの仕事を始めてから、自分のことを前向きに考えられるようになったのがとても大きいです。
城(仮名) 22歳 フリーター