不定期で稼ぎながら世界中を旅しているバックパッカー

趣味にお金がかかるから…高額バイトを、と

いつでも世界中を飛び回っているような、永遠の旅人になることが、ある時期からの将来の夢でした。中学の頃、僕が今でも尊敬する登山家の方が来校して、そのときの話を聞いてから、なんか日本って狭いんだな、と思うようになったんです。

それからは、高校も定時制を選んで、バックパッカーになりました。けれど、やっぱり高校生のガキが小遣い程度の稼ぎで旅行できるのなんて、本当に限られた範囲で、なりたて旅人気取りのその頃は、そのくせ自由がなくて、結構苦しんでましたね。

けれど、旅行好きの思いは止められません。18になってからは、まずは身近なところからと、中国台湾とか、LCCでもいける近隣の国を回りながら、日本にいるときには、埼玉の農家に住み込みでお世話になりながら、稼ぐ、というスタイルに落ち着きました。

それでも足りない資金を補うために、19歳になってから、これまでとは違う、とにかくデカい金になる高額バイトを始めよう、それを旅行資金にしよう、と思って、求人情報をあたりました。そして見つけたのが、出張ホスト、という今の仕事です。「出張」という響きが「旅」と似ていたからか、何か、この職に興味を持ったんです。

仕事の一つひとつが新鮮な経験

このバイトを始めてみて、驚きました。まず、あるところにはものすごーい桁違いのお金がある、ということにです。ご利用されるお客様、みなさん、本当にお金持ちです。これまで所詮、高卒のガキだった僕にとって、そのような方々の桁違いの金銭感覚は衝撃でした。

そして、自然と、そういう方々のお相手をさせていただく自分の手元には、高収入が入ってくるわけです。正直、農家での稼ぎって何なんだろう、と思うくらい、いい給料を貰っています。しかも、ご来店されるお客様、お仕事が多忙で旅行には行きたくても行けないという方がいて、僕のこれまでの旅の経験をお話すると、「へえ、いいね、行ってみたい」と喜ばれることもあります。

反対に、僕自身が、それこそ南極とかウクライナとか、とんでもなく日本から遠く離れた土地に旅行経験のあるお客様から、旅の体験談を聞くこともあって、そういうときは羨ましさと「いつか自分も!」という思いに、胸が高鳴ります。

旅行の範囲も広く 身近な場所でいい出会いが

おかげでこの仕事を始めてできたお金で、東南アジアの国々を、いろいろと回ることができました。現地で吸った空気、食べた食べ物、悪い奴にだまされかけた経験、すべてが僕にとっては宝のようなものです。バックパッカーとなってから、使い込んできたボロボロのリュックさえも誇りです。

そして、週に2、3回という不定期ではありますが、出張ホストの仕事を始めてから、なんというか、僕は、行く先々で人の話をちゃんと聞くようになったような気がします。これは確実にこの仕事で身についた良い習慣だと思います。

おかげで、というべきか、最近は身近なところで、素晴らしい出会いがありました。それが以前から住み込みで働かせてもらっている、埼玉の農家です。

そこで、少し気難しいけれど仕事についてはすごく厳しく、誠実なベテランの方に、「目つきが変わったな」と言われ、今はただ肉体労働するだけでなく、農業のイロハを教えてもらっています。毎朝、早起きして勉強中です。いつか旅をしながら、日本の素晴らしい農業技術を世界に広げることができたら、と将来の夢を具体的に考えています。

南(仮名) 20歳 バックパッカー

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