大学生活って、本当に飲み会が多いんですよね。サークルの飲み会、学科の飲み会、友人同士の飲み会。いつも何かしらの飲み会があって、そこでの自分の役割は決まっていました。場を盛り上げる係。テーブルを楽しい雰囲気にする。そういう環境の中で、自分は本当に生き生きしていたんだと思います。
飲み会で誰かが沈んでいると気になるし、話が途切れると次のネタを出したくなる。友人たちの笑顔を見ることが何より嬉しくて、その日一日の価値を感じていました。正直なところ、飲み会の幹事をするために生きているような感覚さえありました。それくらい、その場づくりに生きがいを感じていたんです。
出張ホストへの誘いは、飲み会の中から生まれた
そんな生活をしていたある日、いつもの飲み会で先輩と仲良くなる機会がありました。その先輩は明らかに経済的に余裕がありそうで、話の内容も違えば、まとった雰囲気も違う。自然と目を向けてしまいました。
話を聞いていると、先輩は出張ホストの仕事をしているということでした。正直、その時点では出張ホストがどういう仕事かよくわかっていなかったんですが、説明を聞いていると面白そうだなと思い始めました。そして先輩は、こう言ってくれたんです。「お前の性格ならすぐ売れるよ。場を盛り上げるのが上手いし、人付き合いも上手いじゃん。やってみない?」と。
その時は半信半疑でした。自分のノリの良さが本当に仕事になるのか。飲み会で好かれるのと、出張ホストとして稼ぐのは全然別の話じゃないか。そう思っていたんです。でも先輩の言葉が頭から離れなくなって、結局面接を受けることにしました。
面接では、持ち前のノリの良さが一番評価されたんだと思います。面接官の方は、「この感じなら大丈夫」という感じで、その場で採用が決まりました。自分でもびっくりしましたが、その瞬間は嬉しさでいっぱいでした。飲み会で培った自分の性格が、仕事として評価されたわけです。
調子に乗りすぎて学んだ、接客の本当の意味
ところが、実際に働き始めてみると、現実はそう甘くありませんでした。初期の頃、僕は本当に調子に乗っていたんです。飲み会でうけるノリを、そのままお客様の前で出していました。テンションを上げまくって、無理にでも場を盛り上げようとする。それで何度も場を凍らせてしまったんです。
お客様はそれを求めているわけじゃなかったんだということに、何度も指摘されました。先輩たちから何度も注意を受けました。「相手のペースに合わせろ」「空気を読め」「押し付けるな」。そういった指導をもらう日が続きました。最初の頃は、正直ショックでした。飲み会では評価されていたノリが、ここでは邪魔になるのか。そう思ったこともあります。
でも先輩たちは見捨ててくれませんでした。何度も同じことを繰り返す僕に対して、丁寧に、繰り返し教えてくれました。試行錯誤の日々が続きました。どうすればお客様は心地よく感じるのか。どのタイミングで話を盛り上げて、どのタイミングで聞き役に回るのか。そういうことを、少しずつ学んでいったんです。
そうしていく中で、飲み会で自分が無意識にやっていた気配りが、実はすごく大事なスキルだったんだということに気づき始めました。飲み会の幹事をしていた時、誰が飲み足りないのか、誰が話に入れていないのか、そういったことを自然と見ていたんです。その観察眼と気配りが、接客の場でも活かせるんだということが、やっと理解できたんです。
僕のノリの良さは間違っていなかった。ただ、それを相手に合わせて調整する力が足りなかったんです。その力を身につけることで、初めて本当の接客ができるようになるんだということを、仕事を通じて学びました。
指名数の増加が教えてくれた、成長の実感
何ヶ月か経った頃から、変化が見え始めました。指名数が少しずつ増えていったんです。最初は、注意されたことを思い返しながら、慎重に接客をしていました。でも回数を重ねるうちに、それが自然になっていきました。
数ヶ月後には、指名数がかなり伸びていました。その時初めて、努力が結果として表れることの手応えを実感できたんです。飲み会の幹事をしていた時は、その場は盛り上がっていても、それ以上の発展はありませんでした。でも出張ホストの仕事では、僕の頑張りがちゃんと数字になって返ってくる。それがすごく嬉しかったです。
働く中で気づいたのは、稼げるというのも大事ですが、それ以上に自分の成長を実感できることの充足感が大きいということでした。飲み会で評価されるのと、お客様からの指名で評価されるのは、重みが全然違うんです。
気配りが武器に変わった瞬間
仕事をしていく中で、飲み会の幹事役で培った気配りがこんなにも接客の随所で生きているんだということに、何度も気づかされました。常連のお客様の好みを覚えておくこと。前回の話題を次の機会に活かすこと。雰囲気が沈んでいる時は無理に盛り上げず、そっと寄り添うこと。そういう細かい気配りの積み重ねが、お客様との信頼につながっていたんです。
これはもう、出張ホストという仕事だけに限った話ではないんだと気づくようになりました。将来どんな仕事に就いても、どんな環境でも、人を思いやり、相手のニーズを察する力っていうのは、最強の武器になる。そういう実感が湧いてきたんです。
飲み会で無意識にやっていたことが、実は世の中で最も大事なスキルだったんだ。そう気づけたことが、僕にとっての一番の成長だったと思います。
営業マンという新しい目標が見えてきた
今の僕の将来の目標は、営業マンとして就職することです。人と接する仕事で、相手のニーズを察して、最適な提案ができる。そんな営業マンになりたいと思っています。
出張ホストという仕事を通じて、対人スキルがどれだけ大事か、そして自分にそのスキルがあることを実感できました。飲み会で培ったノリの良さも、先輩たちからの指導で身につけた空気を読む力も、これはどんな営業活動でも活かせるスキルなんだと思うんです。
この出張ホストという仕事は、単に稼げるアルバイトではなく、対人スキルを磨く絶好の環境だと気づくようになりました。毎日お客様と接する中で、自分がどう成長しているのか。そういったことを実感できる場所。それが新宿での僕の現在地です。
飲み会の幹事から始まった僕の話も、出張ホストを経験することで、新しいステージへと進もうとしています。応募するかどうか迷っている人がいるなら、僕は大事なのは「ノリの良さとか性格が通用するか」ではなく、「相手のニーズをちゃんと理解する姿勢があるか」だと伝えたいです。
タケル 20歳 大学生

