広告代理店員が詐欺で失った資金を出張ホストで取り戻す|お調子者のV字回復ストーリー

正直、今思い返すと自分は本当にお調子者だったなと思います。広告代理店で働いていた頃、周囲の同僚たちが暗号通貨投資の話をしているのを聞いて、なんか面白そうだなくらいの軽い気持ちで始めてしまったんですよ。「やってみたら?稼げるよ」なんて勧められると、深く考えずにノリで飛び込んでしまう。そういう性格が、後々自分の人生を大きく揺さぶることになるとは、その時は思いもしませんでした。

最初のうちは本当に順調でした。少ない金額から始めた投資だったんですが、相場が上昇するたびに資産がどんどん増えていく。その快感を覚えてしまうと、もっともっとという気持ちになるんですよ。仕事の給料では満足できなくなって、投資に回す資金をどんどん増やしていきました。会社の同僚たちも同じような状況だったので、みんなで「今月いくら増えた」という話で盛り上がっていたんです。

うまい話に乗ってしまった その時の判断

そんな調子で調子に乗っていた時期に、友人経由でとんでもない話が舞い込んできました。「限定の投資案件があって、参加すればものすごく儲かる」という話だったんです。今から思えば、典型的な詐欺のセリフですよね。でも当時の自分は、暗号通貨投資である程度の成功を経験していたので、自分の目利きに自信を持ってしまっていたんです。

友人からの紹介だったし、説明も一応はそれらしかった。何より、「このチャンスを逃したら後悔する」という焦りの気持ちが大きかったんだと思います。お調子者の悪いところですね。情報をきちんと見極めることなく、感情で判断してしまいました。貯めていた相応の額を、その案件に投じてしまったんです。

もちろん、その後の展開は想像通りです。連絡は取れなくなるし、お金は戻ってこない。自分が投じた資金は、完全に詐欺師たちの懐に消えてしまいました。広告代理店の給料では、その穴埋めに何年かかるのか見当もつかない額でした。

どん底から這い上がりたいという思い

その時のショックは、今でも覚えています。お金を失ったというショックよりも、自分の判断力への絶望感の方が大きかったかもしれません。こんなに簡単に騙されるんだ、自分ってこんなに甘いんだということが、何度も何度も自分を責めました。会社にも行きたくなくなって、数週間はぼんやりした毎日を過ごしていました。

ただ、何週間も落ち込んでいる訳にもいかないんですよ。失った資金を自分の力で取り戻したい、そういう単純な思いが、いつしか湧き上がってきました。広告代理店の給料では、その目標を達成するまでにあまりにも時間がかかってしまう。もっと即金で、しっかり稼げる仕事がないか。そう考えるようになったんです。

求人サイトを見ていた時に、出張ホストの募集要項が目に飛び込んできました。高収入、高額な給料、シフト自由。広告代理店での経験もあるし、人と話すのは得意だし、これなら自分でもやれるんじゃないかと思いました。実は、その時も少しお調子者なノリで応募していたと思います。でも今回は、自分の失敗から学ぶチャンスが来たんだと考えることにしました。

ノリの良さが評価されて

面接の時の担当の方は、自分の広告代理店での経験や、人と話すのが好きだという点を聞いてくれました。自分はいつもの調子で、その場の雰囲気を明るくするような話し方で受け答えしていたんだと思います。実は面接対策とかは全然せず、素のままの自分で臨んだんですよ。

後日、採用の連絡をもらいました。面接の時に「この人は場を盛り上げるのが得意そうだから、キャストとして向いてそうだ」と判断されたんだそうです。ずっと自分を縛ってきた失敗の後だったので、その連絡を聞いた時は本当に嬉しかったです。自分にはまだ価値があるんだ、そう思えたのが、その時の一番の収穫だったかもしれません。

出張ホストとして働き始めた時、自分がしたのは、失敗の話を笑い話として話すことでした。「実は詐欺に遭ったんですよ」という話を、くどくならないようにユーモアを交えて話す。すると、お客様も「大変だったね」と共感してくれるし、その後の会話がより親密になるんです。お調子者という自分の性質を、マイナスではなくプラスに活かせる場が、ここにはあったんです。

新宿という街で働く中で、様々なお客様と出会いました。毎回同じお客様がご指名してくれるようになったり、新しいお客様から「友人に紹介されました」と来店いただいたり。数ヶ月経つ頃には、自分の指名リストもそこそこ充実していたんです。

失敗から学んだ、本当に大事なこと

出張ホストの仕事を通じて、自分が詐欺に遭った理由が少しずつ見えてきた気がします。情報を見極める力がなかったんです。都合のいい話を、都合のいいように受け取ってしまう。自分の欲望を優先して、冷静な判断ができていなかった。

今は、その教訓をしっかり活かすために、FXについて改めて基礎から学び直しています。前のように感情的に判断するのではなく、ちゃんと仕組みを理解して、リスク管理をした上で投資に臨む。そういう堅実な勉強をしているんです。出張ホストとして稼いだお金の一部を、その学習資金に充てています。

将来の目標は、今度こそ自分の力でしっかりと投機用の自己資金を調達し直すことです。詐欺に遭ったからといって、投資という夢を諦めたくないんです。ただ、前みたいな無謀なやり方ではなく、きちんとした知識と判断力を持った上で、再び資産運用に挑戦したい。出張ホストで働く毎日は、その目標に向かうための大事な過程だと思っています。

お調子者な自分は、相変わらずすぐに盛り上がってしまうし、ノリで判断してしまうこともあります。でも、失敗を経験したからこそ、それでも前に進む強さが自分の中にあるんだと気づきました。出張ホストという仕事は、そんな自分の欠点を武器に変え、着実に目標に向かうための応援をしてくれているんです。

翔太 23歳 広告代理店員